ビブラム香港100kレースリポート当日編(Start~CP1)の続きです。
前回の記事はこちらから。
CP1を出た後は、4度目のビーチに立ち寄ります。
砂浜を走ると足が取られる上に靴に砂が入り込むので、少々コースを外れて遠回りしても波打ち際の湿って締まった場所を走ったほうが楽かもしれません。
ビーチを離れるとしばらく海とはお別れをして、山中に入っていきます。
鬱蒼とした森の中を走りますが、足元は舗装されていますので安心です。
コンクリ舗装が大部分を占めており、アップダウンがあるわりには傾斜も軽く、走りやすいです。
コース上には海や森だけでなく、古い集落跡があったりして景色に変化があるので走っていても飽きません。
トレイル上には次の地点までの距離とコースタイムが記載された看板が設置されています。看板で案内されている地点とチェックポイントは同じことが多かったので、CPごとの英語表記を覚えておけば残りの距離がどれくらいか把握できるので助かります。ちなみにこの場合は、次のWong Shekまで3/4公里(0.75km)です。
時たま木の根が張り出した土のトレイルが現れます。舗装道に飽きていたので少しテンションが上がります。
そんなこんなであっという間に28キロ地点、Check Point2–Wong Shekです。CP1-CP2間は約8km、1:10で走り、累積が4:23でSP1から200人ほど抜いて順位が700番台に上がっていました。
CP2でもエイド内容はほぼ同じですが、ここではネタなしの寿司も用意されています。日本人としては米があるだけで元気が出ますので、2~3個いただきました。
ほかにもポテチやピーナッツバターサンドなどもあり、サンドに手を出したのですが、ピーナッツバターが少々油っこくてちょっと胃が重くなってしまいました。
補給を済ませたら出発です。1.5kmほどロードを辿ると民家?別荘?の裏手を抜けていきます。
コース上に牛が普通に放されていたりと、かなりワイルドなコースです。
実はこの牛を撮ったあと、少し走ったトレイルで転倒してしまいました。
怪我自体はひざや手のひらを擦りむいただけだったのですが、前後を走っていた選手が立ち止まって直ぐに手を差し伸べてくれました。「大丈夫か?」と問われ、「問題ない」と答えた後もしばらく立ち止まってくれて、本当に大丈夫と分かるまで待っていてくれました。
国や言語は違えど変わらぬ人の優しさに触れ、本当にありがたかったです。
怪我した箇所を手持ちの水でさっと洗い流したら気を取り直して走り直しです。少し気が緩んでいたとこもあるので、気を引き締めなおします。
足元はさっき転んだ箇所のように木の根が張り出したトレイルで、疲れてきて足が上がりにくくなっているので気をつけて走ります。
海を眺めながらの標高差100mほどの上り、自然石で作られた階段が地味に足にダメージを与えてきます。ストックをCP5にデポしていますが、こういうときはストックがほしいところです。
130mのピークを越えると後は下り基調の小さなアップダウンを繰り返し、こんな海の家っぽい建物がある集落に着くとCP3の目前です。
36キロ地点、Check Point3–Hoi Haに到着しました。CP2から8km、1:23ほどで、累積で5:45かかりました。
ここのエイドではパンやチョコブラウニーなど定番となった食料に加え、うわさには聞いていたカップ麺が登場しました。あらかじめお湯を入れてくれているみたいで、頼めばすぐ食べられる様子です。
まだお腹がすいていなかったことと胃にもたれそうなことからここではパスして、ブラウニーやシャリ玉、バナナなどを食べるだけに留めます。
CP3では6分ほど滞在し、次のCP4までの9キロを走ります。
この時点で100人ほどかわしていたみたいで、500番台になっていました。
エイド間の距離が短いので、基本エイドで補給をすれば途中は無補給で行けるので助かります。
CP3からは約1キロのロードを経てトレイルに入っていきます。
写真は撮り忘れたのですが、途中には謎の廃屋が。このトレイル沿いにちょくちょく現れるのですが、人の住んでいる気配はなく、謎です。。。
さて、この区間、多少の高低差はあるものの、それ以上に傾斜が緩やかで、かなり走りやすい区間だと思います。
さらに海沿いに出てからはほぼフラットの走れる区間が約3キロ続き、ロードが苦手な私にとっては逆にしんどいくらいでした。
海沿いの歩道をキロ6分強のペースでだらだら走ります。海の向こうには高層ビル群が霞んで見えます。この日は全体的に霞んでいましたが、PM2.5の影響なのでしょうか。
ちなみに左のピークがこれから登る馬鞍山(Ma On Shan)です。正確にはピークを踏まずに巻いていきますが。
海沿いから再び内地に向かえばCP4は眼と鼻の先です。ジャングルを抜けた先の集落では子どもが声援を送ってくれていました。
そんなこんなで46キロ地点、Check Point4–Yung Shue Oに到着です。前のCP3から1:13、累積でちょうど7時間程度です。
この次が前半戦の文字通り山場となっているので、しっかり補給をしておきます。
噂のカップラーメンです。シーフードと麻油?の2種類がありましたので、麻油味をいただきます。
普通に美味しかったです。
補給と休憩で10分弱時間を使ってしまいましたが、おかげで十分休めました。
次は前半最大の登りが待ち受けています。これまではあっても150m程度の高低差だったのが一気に250m登って100m下って再び200m強ほど登らせてくれる素敵コースです。
逆にここを登ればCP5へもうすぐ、コース全体の半分を走り通したことになり、デポした荷物、特にストックを手に入れることが出来ます。
本当にここの登りは厳しく、疲れた体に鞭打って登ります。
登りで前のランナーを観察していると、香港等の選手はストックを支えとして使うけれど推進力としては使わないことが多いようです。ダブルストックを持っていてもせっかくの登りでも1本しか使わずに、しかもバランスとる程度でしか突いていない選手を多く見かけた気がします。
ストック使わないなら貸してくれーとか思いながら、どうにかこうにか「前半戦」の最高地点、雉公山(Kai Kung Shan)399mです。
ここで問題が発生し、個人的にお馴染みの気管支炎?が発症してしまいました。
砂埃などの取り込みによるものか、器官が炎症が生じ、口呼吸で深呼吸しようとすると咳が出てしまい、結果深呼吸ができないといったものです。
とりあえずいつもは対症療法としてロキソニンで炎症を抑えるようにしており、今回も次のCP5でロキソニンを服用し、それが功を奏したのか咳が出なくなりました。が、原因も対処方法もいまいち分からないので、実際どうすればいいのかは未だに謎です。
もう一個閑話として、このトレイルには次の看板が点在していました。
普通にトレイルのコースを示しているのだと思っていたら、実は500mおきに設置されている標識のようです。
これを見ながらだとおおよその距離などもつかめるので重宝できます。
閑話休題、雉公山を越えた後は一気呵成に下るだけです。
登りで溜まったフラストレーションをここで吐き出します。
さすがに下りはあっというまで、全工程の半分、52キロ地点、CheckPoint5-Kei Ling Haに前CPから1:23、スタートから8:33で到着しました。