今年の8月に出場したSwiss Iron Trail、その旅程でとあるハプニングがおきました。
それはロストバゲージ(荷物の遅延)。
結局、大会当日まで荷物が手元に届かず、大会出場装備一式を現地購入する事態になり、金銭的にも精神的にもだいぶダメージを受けました。
節約のため安い乗り継ぎ便を選び、ついでに保険にも入らなかった結果、はるかに高い代償を払う羽目になったという、海外旅行の洗礼を浴びることとなりました。
まあ、無事出場・完走でき、荷物も出走後ですが手元に帰ってきたので、今でこそ笑い話にもできますが、当時は本当に軽いパニック状態になったのを覚えています。
【レースレポート】スイスアイアントレイル2015(Swiss Irontrail-T201-)~前日編
さて、そんなロストバゲージですが、もちろん出場・完走できたね、荷物も帰ってきてよかったね。で、終わりではありません。
今回の事故で生じた損害(必要物資の購入費用)を航空会社に請求する必要があります。
請求に先だって色々調べてみると、やれ航空会社は賠償の義務を持たないだの、やれ日用品購入程度の補償しかないだのどうも雲行きが怪しい。
ただ考えていてもしょうがないので、航空会社に必要資料(航空券半券、領収書、経緯書・請求書等)を整理して念のため簡易書留で送付します。
しかし、投函してから1週間、待てど暮らせど反応がないのでしびれを聞かせて連絡を取ると受領はしたものの多数の案件を抱えているためすぐに対応できていなかったとのこと。今回の連絡を機に案件を進めていただけることとなりました。
で、そこから数日後、航空会社からの回答が文書で返ってきました。返ってきたのですが、そこには悪い方向で予想通りの内容が。
要約すると「あなたが購入したのはスポーツ用品、私たちが補償するのは日用品。スポーツ用品の補償は無理です。ただお見舞金として数万円は支払いますよー。」というもの。
うん、分かってはいたさ。ただ、物価の高いスイスで最低限の装備(それこそシューズやウェア、補給食を含む)をそろえるのに云十万円の出費を強いられたわけさ。その1割しか補償されないってさすがになー。
というわけで、ここで諦めるわけにはいかないってことで、改めて交渉することに。
色々事例を調べたり、運送約款(英語)を辞書を片手に読み込んで、補償の範囲が日用品に限定されていないことを確認。
HP上で荷物が手元に届かなかったことにより緊急に必要な物品の請求は可能ということも確認できました。
ということで、上記の内容を踏まえつつ、今回の目的であるSITに出場する(装備の要件を満たす)ために緊急的に購入したんだー!!という文書をしたためて、再度郵送しました。
二の矢を放って早三ヶ月、AF社からうんともすんとも音沙汰がないので、正直補償されないんだろうなーと諦めてというか忘れかけていました。
ところが12月23日、私が3333段の石段にアタックしている最中、AF社から1通のメールが入っていました。
内容は、「OK、あなたの言い分は分かった。スポーツ用品も補償させていただく。ただ約款により1,131SDR(IMF特別引出権)を上限しか支払えないが、その枠内で補償させていただきたい。申し訳ない。」というもの。
ほぼほぼこちらの請求額を満たしており、これ以上交渉しても難しいだろうという判断から、この内容で手打ち。
補償金が先日口座に振り込まれていることを確認できたので、一件落着となりました。
というわけで、タイトルになるわけですが、航空会社からお年玉をいただけることになりました。
もともとは自分で払っているのであれですが、買ったものは手元に残っているのでその分は得した感じでしょうか。
時系列をまとめるとこんな感じ。
日付 | 内容 |
---|---|
8月12日 | スイス・チューリッヒ空港でロストバゲージに遭遇。 航空会社のカウンターにてロストバゲージの申請・対応依頼。 →レシート等を保管、後日担当部署に提出するように指示を受ける。 |
8月15日 | SITゴール後、宿にて荷物を受け取る。 |
8月23日 | 荷物遅延に関する請求を郵送。 |
9月初旬 | 請求に対する回答。 スポーツ用品のため、請求の却下。 日用品相当分として2万円強の補償。 |
9月15日 | 回答に対する異議申し立て。 再度同額の補償を請求。 |
12月23日 | スポーツ用品も補償対象に認定。 限度額内での補償の決定。 |
1月中旬 | お年玉をゲット!! |
と、まあ、今後同様の事態に遭遇した人がいたときのために事例の一つとして書いてみました。
実際、後日別の大会に出場する九州の方がロストバゲージに遭遇、私の失敗談を聞いていたので手荷物にレース関係の荷物はまとめ、靴は履いていたため難を逃れたという話も。
今まで他人事に考えていましたが、こんなトラブル、結構頻繁に起こるもんですね。
今回は無事補償もしてもらえましたが、交渉の結果でもありケースバイケースな面も大きいと思います。
まずは転ばぬ先のなんとやらではないですが、最低限必要な荷物は手荷物で、念には念を入れて携行品保険も入っておくと安心ですね。