【レースレポート】中国・四川省で開催されたUltra Tour Mt.Siguniang60kmを走ってきた(CP8「八角棚海」~CP10「中梁子」)【UTMS60】

CP8『八角棚海(4,387m)~CP9『花海子(3,791m)

動き出すと不思議とどうにかなるもので、徐々に体も温まってきます。
CP8そばの八角棚海(湖)ごしの四姑娘山。朝日を浴びて綺麗に色づいています。

エイド直後は湖をぐるっと周ります。エイドの南側のピークはには名も知らぬ5,000m峰です。

ここからは北斜面を巻きながら海抜4,500mまで登った後、標高4,300m前後をひたすらトラバースしていきます。

エイドを出てすぐこそは大して積雪のないガレ場が続きましたが、


10分ほど進むと地獄の雪斜面トラバース(エンドレス)が待ち受けています。
ビビリな自分はチェーンアイゼンを着用して確実に雪道を抜けていきますが、アイゼンの着用率は半々くらいだったように思います。
もしもアイゼンも付けるのであれば4~6本爪のような軽アイゼンよりも10本爪のあるチェーンのほうがいいかと。


というのも、嫌らしいことに雪のトラバースとガレ場のトラバースが交互に待ち受けているからです。靴の前後にも爪が付いてバランスの取りやすいほうがガレ場・岩場は安心ですしね。もしくは雪質を見て着用しないかですけど。


北斜面のトラバースということで、左手にはずっと四姑娘山を望むコースです。正直、最初見たときこそは興奮したものの、トラバースに神経を使うため、徐々に楽しむ余裕も減っていきます。

しかし、とにかくこのトラバース区間が長い!!
水平距離だと3~4キロもない程度なのに、全然先に進まないし、標高も下がりません。
ずっと4,300m前後をふらふらする感じで、軽度の高山病で頭痛もあり、早く高度を下ろしたいのですが、終わりが見せません。



ようやく下りが始まったのが、CP8を出てからやがて2時間ほど経とうとするときです。
これまでのトラバースが嘘のように一気に標高を落としていきます。
下り始めは雪の吹き溜まりを駆け下ります。かなりの雪の量で、トレースを外すと膝上まで軽く埋もれます。

前方の選手がコースを外れ滑落しそうになっていました。斜面に滑り落ちて倒れてしまい、上手く制動できておらず、ズルズルと下に滑り落ちかけている状況です。
後続の選手と一緒にストック等で引き上げて救助できたのでよかったですが、これまでのトラバース箇所でなくて本当に良かったです。
ここの斜面はグリセードかシリセードで下るのがいいかと思います。

標高4100mあたりでようやく雪が消えてきました。
この時点で午前9時30分過ぎ、関門まで40分を切っています。眼下には次のCPである花海子と大海子の湖群が見えます。



関門に間に合うよう九十九折の斜面をギアを上げて駆け下ります。


午前9時58分、関門10分前に19.6km地点のCP9「花海子」(3,791m)に到着です。
CP8-9間の6..4kmを2時間半かけた計算になります。数字上は上昇累積標高185mに対し、下降累積791mと完全に下り基調のコース。にもかかわらず、こんなに時間がかかるなんて・・・。

相変わらず頭痛と胃腸不良に苛まれ、ここのエイドでもメロン一切れとお湯だけを補給。あとは手持ちの補給食(芋羊羹)を口に入れるだけです。

CP9『花海子(3,791m)~CP10『中梁子(4,074m)』

再び4,100mへの登りが始まります。
先ほどの寒い北斜面と打って変わって太陽降り注ぐ南斜面の登り、先ほどの低体温が嘘のように暖かくなり、ウェアリングが本当に大変です。


標高差300mくらいの登りですが、まったく体が動きません。
頭が脈打ってズキズキ痛むし、ノロノロとカタツムリのごとく上っていきます。まあ、周りも似たようなもので、ゆっくり抜いたり抜かれたり・・・。
一部の元気な選手だけが颯爽と追い越して行きます。


一度4100mまで登れば、あとは斜面の巻き道です。今までと違うのは雪がまったく無く、走りやすいということ。
そう、コース自体はわりとフラットで走りやすいんです。
ただ、自分の場合は全然体が言うことを聞かず、走れそうなコースなのに走れない。走る気力が出てきません。完全にガス欠です。




とりあえず前に進もうと早歩きで次を目指します。


先ほどの登りで抜いた人たちもこの区間で追い抜かれてしまいました。
絶景が癒しといえば癒しでしょうか。


徐々に関門が迫る中、根性出して走るところは走ります。



が、CP9手前の100mほどの登りで完全にノックアウト。
次のCP9「中梁子」(4,074m)には関門を3分過ぎた午後0時23分に到着。
たったの3分・・・。最後の数分を絞り出しきれず、後悔しか残りません。たとえ体調が悪かったとしても、この関門を抜ければその先を見ることできたのに・・・。


ということで、私のUTMS60kmの挑戦は29.6km地点で終了することになりました。
これまで数々のトレイルレースに出てきましたが、初めてのDNF、ゴールを踏めなかったのはこれが初めてです。
レースは終わりましたが、もう少しだけ私のUTMSは続きます。


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