【コース紹介】洋上のアルプス・屋久島を1DAY東西縦断Sea To Sumitトレラン(宮之浦集落~縄文杉~宮之浦岳~永田岳~花山歩道~栗生集落)

AsoRoundTrailに向けたトレーニングの一環として、GWの前半戦の4月29日に屋久島まで遠征し、島を東の海から西の海へ縦断するコースを1日で踏破してきました。
コースは、宮之浦集落→益救歩道→竜神杉→高塚小屋→縄文杉→新高塚小屋→焼野三又路→宮之浦岳→焼野三又路→永田岳→花山歩道→栗生集落までの”Sea To Sea”、海から山を越えて再び海へと戻る旅です。

今回は前日に屋久島入りし、宮之浦にあるオーシャンビューキャンプ場でビバークすることにしました。
このキャンプ場はトイレと簡易水道しかないので設備面では物足りなさもありますが、宮之浦集落にも程近く、名前の通り海を一望できて静かな場所なのでキャンプするにはちょうどいいです。
お宿はツェルト代わりに道中も持っていくヘリテージのストックシェルターです。
最低限のスペースしかありませんが、寝るには十分な空間です。

さて、日暮れとともに就寝し、午前1時半に起床、午前2時半に撤収、キャンプ場を出て宮之浦港へ向かいます。
宮之浦港前にある屋久島観光センターには屋外コインロッカーがあり、24時間使えるのでここに不要な荷物を預けておきます。
そして、準備を整えて午前2時45分、宮之浦港の水面にタッチしてから出発です。

まずは寝静まる宮之浦の集落をボチボチ走ります。
途中のバス停、「登り上り(のぼりあがり)」、これからの行く末を暗示する名前です。

えっちらおっちら走ること約4km、午前3時20分に神之川林道入口に到着。
ここまでがロード、ここから砂利の林道になります。
林道は行ってすぐのところに仮説トイレが設置されており、以降高塚小屋までトイレはないので用を足しておきましょう。

林道入口から4kmほどで竜神杉登山口に着きます。
登山口といってもここからさらに1.5kmほど林道が続きますが・・・。

午前4時8分、益救歩道入口に到着。ここからが本格的?な登山道の始まりです。

本格的といいましたが、しっかり整備されておりライトさえあれば暗くても道に迷わなくて済みました。

途中、トロッコ道も通りますがヒルの出没スポットとの話も聞いていたので写真も撮らず足早に抜けることとします。
気温も湿度も低く、ヒルが非活性だったためか幸いにもご対面せずに済みました。
とはいってもヒルに会いたくない一心で、休憩もそこそこに足を進めます。
午前5時、渡渉点あたりで朝焼けを見ることができました。屋久島からぬ晴れの天気に心弾みます。

もちろんヒルの恐怖ばかりでなく益救歩道でもちょっと苔むした屋久島らしいトレイルが待っています。



そして午前5時37分、ようやく竜神杉とのご対面です。
やはり悠久の時を歩んでいるだけあって中々の迫力です。が、今日は屋久杉は二の次なのでさらっとスルーしていきます。

竜神杉から旧道への取り付きにちょこっと迷ったものの、無事旧道に入れました。
思った以上にテープが整備されています。

午前6時前、お天道様とご対面。少し水蒸気のせいか霞んでいるのが残念です。

途中の開けた斜面からは宮之浦集落も一望できました。

この旧道、非正規なだけあってテープこそあるものの他のメジャー歩道に比べるとワイルドで楽しくなってきます。

1,370mのピーク手前の広場で少し道を間違ってしまいました。
白谷林道十七支線との合流の広場と勘違い。尾根沿いに進み、あからさまに道が違うので籔を強行突破しつつ正規ルートに復帰します。
本来は素直にピンクテープに従い尾根沿いではなく斜面を下るルートを取ればいいみたいです。

ここから先は特に繁っており、道を灌木が塞いでいます。
今の時期だからいいもののこれからの時期は籔漕ぎが大変そうです。

午前6時半、白谷林道十七支線との合流広場に到着です。
ここからは緊急時や資材運搬用のルートなのでかなり整備されており、テープ・踏み跡も明瞭でした。

道に迷うことなく午前6時50分、高塚小屋のトイレ裏から高塚小屋に出てきます。
時間帯の関係か、テン泊している1組以外にはお会いしませんでした。


高塚小屋からは少し寄り道して縄文杉に一応ご挨拶へ。
挨拶したらすぐに縦走路に戻ります。先はまだ長いぜよ。

これから行く宮之浦岳までは5.2km、そんなに距離はないですが、登り基調の道が待っています。

すっかり晴れていい天気。日差しが出てだいぶ暖かくなってきました。
木の根に足を取られないようにしつつ早足で登ります。

午前7時44分、新高塚小屋に到着。
ここに来るのは数年前の厳冬期縦走以来です。

午前7時58分、第1展望台へ。ここで今回初の屋久鹿に遭遇。九州の鹿に比べて人慣れし過ぎです。


展望台からはこれから行く宮之浦岳がきれいに見えます。まだ遠いぜよ。

眺めていても距離は縮まらないのでさっさと先に進みます。
が、コース上に再び鹿が。だから慣れすぎだって。野生に戻れ、野生に。

とか鹿と戯れつつ、気持ちいいトレイルを走ったり歩いたり歩いたりしていきます。



午前8時40分、平石に到着。ここからの宮之浦・永田岳の眺めは最高です。
平石から焼野三又路まではとても走りやすく、九州でも至極のトレイルではないでしょうか。



午前8時58分、焼野三又路へ。ここが永田岳との分岐です。
ここから宮之浦岳までは一登りですが、九州最高峰だから寄らない手はありません。

えいこら登ること15分、宮之浦岳1936mに登頂。宮之浦の海から6時間半、22.3kmの登りでしたが、そんなに走ってない割にはそこそこの時間で来れました。

宮之浦岳からは360度の大展望が待っています。
これから向かう永田岳。なだらかな稜線の宮之浦岳が女性的であるのに対し、岩がゴツゴツしている永田岳は男性的と評されますが、まさしくですね。

少し山頂で休憩していると淀川小屋からの登山客が増えてきたので、ぼっちはお暇して男性的なる永田岳を目指します。


永田岳までの道は宮之浦岳縦走路よりもマイナーなためか、ところどころ道が抉れていたりしますが、特に迷うところはありません。
行く手を笹が阻むことはあれど、大した問題ではないです。

どちらかというと山頂までの急登がしんどいところです。
焼野三又路・宮之浦岳のほうが標高差は大きいのですが、傾斜は永田岳のほうが上でしょうか。
周りの巨石を眺めながらゆっくり標高を上げていきます。
そして午前10時23分、永田岳1,886mに到着。
永田のほうが若干雲がかかっていますが、相変わらずいい天気です。

少し山頂の巨石の上で休んだら、あとはSummit To Sea、海まで標高差1,886mの下りが待っています。

永田岳から鹿之沢小屋までも道がちょっと荒れており、雨に浸食されたのかかなり段差が生じたりしていました。
それでも膝丈の植生を縫うように走るトレイルには心がときめきます。

ルート上には馬酔花(あせび)が若干道を塞いで邪魔なときもありましたが、綺麗な花を咲かせていました。
花より団子派な私が知る数少ない花の名前なので、とりあえず紹介しておきます。


永田岳の北側は少しガスっていましたが、名物ロウソク岩は顔を出してくれました。
花崗岩の浸食によってできているとはいえ、自然とは摩訶不思議です。

ロウソク岩展望台からもこんな開けたトレイルや、

こんな灌木の中をくぐり抜けるトレイルが待っています。

樹林帯が多くなってきたら鹿之沢小屋まではもうすぐです。
ということで、午前11時、鹿之沢小屋に到着。ここは花山歩道と永田歩道との分岐になります。
以前この小屋に泊まったときにヤクシマヒメネズミにプラティパスを齧られてお釈迦にされたのはいい思い出です。


小屋で小休憩を入れた後は花山歩道に入ります。
屋久島の中でも原生林が色濃く残ると定評のある花山歩道ですが、同時にマイナーなため道が荒れているとも聞きます。
ここからは初ルートだったので、慎重気味に下ることにします。
とりあえず小屋すぐの渡渉点。ここが増水していたら永田歩道を使う予定でした。

花山歩道沿いには定期的にこんな看板が。
原生林の保護区域がちょうど花山歩道を堺に設けられていることが分かります。
また、現在地も載っているので自分がどこらへんにいるのか分かりやすくて便利です。

荒れているとの話でしたが、踏み跡もしっかりしており、そうは感じないトレイルです。
むしろ近くの里山のほうがはるかにめんどくさいところもあるので、山に慣れていれば問題ないルートだと思います。

原生林ということだけあって、巨木もそうですが、標高ごとに植生が変わる様も堪能できて面白いコースです。

屋久島はわりと整備されたルートが多いだけあって、花崗岩であったり地面が露出しているところも多いのですが、ここは杉や広葉樹の落葉に埋もれたトレイルで非常に気持ちがいいです。



少し歴史を感じる花山歩道の標識。ルート上に散見されました。

楽しく下っていたら気付いたら花山広場へ。鹿の沢小屋から1時間強、午後0時20分に着きました。


ここから下も割りとヒルとランデブーできるスポットとのことなので、写真はそこそこに蛭に捕まらない速度で抜けていくことにします。
植生も杉林というよりも雑木林といった感じになって、後半の傾斜の強い下りにはへきへきしながら標高を下げていきます。
そして午後1時36分、どうにか蛭にも遭わずに済んで花山歩道入り口に到着。


正直想定よりも少し早く下れてきたので、1本早いバスに間に合うかもしれません。
というかそのバスを逃すと2時間待ちなので、是が非でも間に合うよう頑張ります。
が、ここからが下りとはいえ私の嫌いな林道5km&ロード3kmの区間です。
標高も下がった上に真昼間ということで気温も高く、走る気力が湧きません。



それでも走ったり歩いたりを繰り返しながら栗生までやってきました。

無駄に時間をかかったけれども、午後2時56分、海ではないですが栗生集落の河口の水面にタッチ。

バスまでの時間がないので自販機でコーラを購入して栗生小前バス停で今回の縦断旅を終えました。

宮之浦の海を出発すること12時間15分、距離43.4km、累積標高差3,036mの長旅でした。
ロードをもう少し頑張れば12時間は余裕で切れたと思いますが、日和った私にはこれが限界でした。
ARTに向けてということと、何度も来ている屋久島でちょっと面白いことをしてみようと思いチャレンジしてみましたが、やっぱり屋久島は歩いたほうが楽しいということが重々分かりました。
どこかで1泊したほうが屋久島の魅力を十分に感じることができるかと思います。もしくは淀川~荒川/白谷雲水峡あたりを日帰りトレランすると気持ちいいでしょうね。
どの口が言うのかという話ですが、無駄に1日で縦走しなくていいです。
屋久島に来られる際はぜひゆっくり歩いたり泊まったりして大自然を堪能されてください。

今回のコース
宮之浦集落~神之川林道~益救歩道~竜神杉~高塚小屋~縄文杉~新高塚小屋~平石~焼野三又路~宮之浦岳~焼野三又路~永田岳~鹿之沢小屋~花山歩道~栗生集落
距離43.4km、累積3,036m


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